症例報告 2


 

初診2014年10月4日(水)
60代 男性
主訴:腰痛、パーキンソン症状のふるえ、胃のムカムカなど
現病歴:背部から腰部にかけ疼痛があり、昨年6月腰椎ヘルニアと診断される。
体を横に曲げると右腰部外側が痛む。また、ちょっとした作業をしただけでもすぐに横になりたくなる。
パーキンソン症状で手足がふるえ、特に足のふるえによりつまずく事が多い。少しでも日常生活が快適になればと思い来院。
既往歴:パーキンソン病(6年前から)・帯状疱疹
脈:右寸浮
舌:舌質紅、舌下静脈怒張
腹診:右期門・日月、中脘、京門に圧痛
背診:右側に張りがあり、特に大腸兪・臀部に圧痛がある
腓腹筋 *1:左下(肝)、右中(腎)
首周:両胸鎖乳突筋に強い緊張

治療
 パーキンソン病に大きく関わるドーパミンを分泌しているのは黒質である。耳穴に黒質というツボがある。右耳穴の黒質穴に王不留行を貼り、左足のふるえが軽減。ふるえ(風)は肝との関連がある。左大敦(補)取穴後、右期門、日月の圧痛軽減。また、耳が赤黒く、圧痛があるので、肝陽を刺絡した(肝の血瘀を改善する為)。
次に、湧泉(瀉)に反応があり皮内鍼を置くが、腓腹筋中(腎)の把握痛がとりきれないため、内至陰を刺絡。腎は脳髄を主る。腎の働きが良くなると脳の働きも良くなる。
背部兪穴触診:右胆・脾・胃・大腸・臀部に圧痛、左脾・胃兪に陥凹。
肝の症状があるので、表裏関係で胆兪に圧痛。左胆兪6行線 *2 取穴。すると右胆兪の圧痛軽減。右大腸兪外側の疼痛に対して左脾兪4行線 *2 (補)取穴(手の陽明経と足の太陰経は手足の同名経の、表裏の陰陽関係が深いため)すると右大腸兪と脾兪の圧痛軽減。
右臀部圧痛(小野寺臀点は胃に問題ある時に圧痛が出る)に対しては、左胃兪5行線(補)取穴。すると、右臀部と胃兪の圧痛軽減。この後、左脾、胃兪の陥凹改善。
腰臀部の痛みが楽になる。
4回目の来院時に、ご本人から「ふるえはあるが、体がらくになり、腰もらくになった」とのご報告を頂いた。治療時に体位変換する際、動作がスムーズになられていた。
自宅でもこちらで指導したセルフケアを行い、現在は治療院に通いながら症状改善を目指しておられます。

*1 腓腹筋の把握痛を診る
飛揚の高さを真ん中として、上(脾)、中(腎)、下(肝)を把握する。
圧痛がある部分は経絡の流れが悪いことを示している。

*2 背部兪穴を取穴する際、膀胱経1、2行線より、さらに外側も診る。 真横(7行線)まで触診して、一番過敏な所を取穴。

武田 豪快




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