研修・見学の方々からの声46


 

 吉川 正子先生、緒方 健先生、八城 友紀子先生

研修中は大変お世話になりました。

 私は、昨年と今年、大阪で開催された日本中医学学会(会長 木本由紀夫先生)で、吉川先生の陰陽太極鍼の講演を拝聴した際、その理論的な内容に大変興味を覚えました。研修をお願いしましたところ、8月5日から11日までその機会を与えて下さり、多くのことを学ばせていただきました。研修報告として以下の3項目に分けて述べたいと思います。

  1. 診療に関する感想
  2. 研修目標と学んだ内容
  3. 今後の抱負
  1. まず、吉川先生が、問診・舌診・脈診・腹診・首診・腓腹筋の触診、そして四肢の切経・置鍼・百会のローラー診・背部診と置鍼・温灸と実に丁寧に、ひとつも省略されずに入念に進めていかれ、また、その過程で患者さんに、逐一症状の改善を確認し、改善のない場合は、効果が現れるまで治療を続けられる姿に感銘しました。一人の患者さんが治療を受けられている時間は、1時間から1時間半くらいにも及んだでしょうか。その間、はほとんど立ったまま、何人かの患者さんを並行して診られます。疲れないのだろうかとお聞きすると、1日終わると確かに疲れますが、診療中は夢中なので忘れていますとのことでした。先生の治療により患者さんの症状が、その場で改善していくのをしばしば目の当たりにしましたが、その喜びこそが、ほとんど休みなく診療を続けられる原動力なのかもしれません。患者さんの訴えに常に共感的に接し、笑顔で穏やかに話されている姿も心に残りました。
     次に、さまざまな患者さんの中で、眼科疾患の方が多く来られていたのも印象的でした。研修初日に初診で来られた弱視の小学生の子が、日に日に視力が改善していく姿だけでも眼をみはりましたが、網膜色素変性症の方が何人かみえていて、根本的治療法が確立されていないこの難病の方の視力が、先生の治療により、非常に改善しているのは驚異でした。
     最後に、昼休みの休憩時間や食事会の時に伺った、陰陽太極鍼を確立されるまでのさまざまな御苦労にも感じ入りました。 "パイオニアというのは苦難の道を歩む運命にあるものだよ。"という、ある方の言葉が思い浮かびました。先生も開拓者として、伝統に逆らって?切り開いて来られたその道は決して平坦ではなかったことを知りました。しかし、その様な逆境にもめげず、多くの難病患者さんを苦痛から解き放つために、心血を注いで来られたことに深く敬意を表します。北海道のみならず全国からも研修者が後を絶たないゆえんであると感じました。
  2. 今回の研修で目標としたのは、経絡弁証と正確な取穴、そして配穴の法則を学ぶことでした。そのため、初歩的なことでも疑問が湧けば躊躇せず質問しましたが、全てに快く答えて下さり理解が深まりました。経絡の有機的なつながりが頭の中に、容易に思い巡らせるようになりました。また、一緒に参加された歯科医のS先生とペアで、吉川先生に指導を受けながら実際の手技を行うことが出来たのはとても幸いでした(S先生、1週間有難うございました)。鍼灸の教科書にある配穴の法則について、なぜその組み合わせをとるのかが必ずしも明白でなく、この点を是非、理解したいと考えていました。先生から、経穴の組み合わせは診察情報から自ずと決まるのです、とお聞きし、配穴法則を棒暗記する必要はないということがわかりました。"最初から意図的に固定した組み合わせを選ぶというより、振り返ってみて結果的に、○○という関係になっていたということも多いです。"とも述べられました。置鍼は経穴の虚実をみて、病変部の対側で陰陽関係にある経絡上の主に肘・膝関節より遠位の経穴を選ぶのが基本原理であると理解しました。つまり、治療の要点は先生の主張される"陰陽のバランスの乱れを是正する"という言葉に集約されるように思います。また、この点は西洋医学による治療においても目指すべき方向であると感じます。
     わたしの理解は、まだまだ浅いものですが、今回の研修目標は達成できたと思います。
  3. わたしは、鍼灸を本業とするものでないため、日常診療で先生のように一人の患者さんに時間を多く割くことができません。研修で得た知識をmodifyして診療に応用する必要があります。これまで、医療の中に治療手段の一部として取り入れてきた鍼治療を、今回の研修で学んだ陰陽のバランス調整という観点から、"活性化"させたいと考えています。
     また、頂いた鍼灸に関するさまざまな貴重な文献・参考資料も精読し、より多くの患者さんの治療に役立てられるよう不断の努力を続けたいと思います。
 最後にもう一度、大変凝縮した内容をご指導下さり、本当に有難うございました。

2012年10月17日
東 理
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